古本買取に向かない本

古本屋にはいろいろな国、いろいろな時代の本が並んでいます。多種多様なものを扱っているにもかかわらず、古本買取でほとんど値がつかないような本もあります。

まず、全集や百科事典によくある「揃い物」は、1980年代の前半は非常に人気の高いカテゴリーの一つでした。応接間の本棚にどのような全集が並んでいるかということは、その家の主人がどの程度知的であり、文化を重んじる人間であるかを証明するような役割も担っていたといいます。そのため、会社にやってくる営業マンから、同僚と競うようにして歴史やアートの全集を購入していたのです。

さらに、家では我が子のために英語の百科事典や、毎月出版社から送られてくる絵本のシリーズなどを購読していました。ほかに新聞社などが“限定”と大々的にアピールして発売された豪華本も高い人気を誇っていました。

こうした本は読むことよりも所有することを目的に購入する人が多く、実際にすべての本を読みきったという人はほとんどいなかったのではないかと思います。

現在もヨーロッパでは似たような風潮があるそうですが、かつては、日本でも書棚がその家主の社会的なステータスを示していました。しかし最近は、応接間がある家も減ってきていて、家のリフォームや引越しの時に全集を手放すケースが増加傾向にあります。そのため買い手より売り手の方が多く、値が付くことは少ないです。