古本買取

どの本をどこの古本屋へ持っていけばいいのか。それぞれの 古書店がほしがる傾向の本があります。持っていくべき本屋が遠方に ある場合は、仲間と本を交換し、それぞれ別の店におもむくこともあります。 こうして古本は七十代の店主が午前中から店番をしている、なじみの店に持 ち込まれました。男はそこで数千円を手にしましたが、なんとその束のなかには、一冊数万円で取 り引きされることもある戦前の少年雑誌も含まれていました。そうした雑誌は、子ども同士で回し 読みされることが多いのでボロボロになり、残っているものが非常に少ないのです。したがって古本業界では、貴重な掘り出し物のポジションにあります。

その本屋は、数人の仲間と共同で出している古書目録に、各一万円でその古雑誌を載せることに しました。普段はあまりそうした系統のものは載らない古書目録ですが、ほどなく地方の専門底か ら注文が入りました。古本屋のなかでも老舗はこうした本を高く買ってくれないと知っていたので、最近脱 サラで開店したばかりの、店名がカタカナの店へ持ち込みました。案の定、まだ年若い店主は難解な本が好きだったので、喜んで古本買取してくれました。 なかでも、美術史の成果を文学論に持ち込んだドイツ人思想家による著作が気に入ったようで、 この類いの本が落ちていたらまた持ってきてくれるようにと、繰り返し依頼するほどでした。三十 年ほど前に刊行され、いまでは入手が難しいその評論を、若い店主は刊行時の定価の倍の値段を付 けて、さっそく店の棚に並べました。著作の年代順にしようかと一瞬迷ったものの、デザインが似 た本を隣同士に並べたほうがきれいに見えるので、出版社別に置くことにしました。久しぶりに 「骨のある」本が棚の一段を占めて、店全体の雰囲気も一気に「知的」に引き締まった印象になり、 若い店主は一人、悦に入っていました。

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